この本のスリッパの話を何人の学生さんに紹介してきただろう

『ダメな自分を救う本』

石井 裕之 著
祥伝社(2010年)
ビジネス実務学科 平澤 純子 教授 推薦図書)


 

 自分のことを「ダメだなぁ」と思ったこと、ありますよね。ない方はここでさよならです。私はタイトルを見てこの本を即買いました。

 この本のスリッパの話というのは、引きこもりになってしまって数年経つ男性が半年後には営業の仕事で売りに売って、仕事で出会った女性と婚約するまでに激変するというものです(33-45頁)。

 この本はポケットサイズの文庫本で、お値段は552円+税です。サイズも価格も負担にならないと思いますが、読書が苦手な方は、気になるところだけつまみ食いしてもいいと思いますよ。
 

 「就職活動、何もやっていない」「資格の勉強をやらなくちゃいけないのに、やっていない」等々の理由で自分のことを「ダメだなぁ」と思っていると話す学生さんは多いです。同じ経験を何度もしてきた私は「あるある」と思いながらお話を聞き、聞いてくれそうな場合にはこの本のスリッパのお話を紹介してきました。少なくとも100人には紹介してきたと思います。
 

 目的を達成するために、できることからやる。引きこもって自堕落な生活を送っていた男性にとっては、トイレから出るときにスリッパを必ず揃えるという著者との約束を1週間守れたことが転機になりました。毎週少しずつ約束のハードルを上げていったのです。それにしてもスリッパを揃えるところから始めて半年でそんなに変わるの、と思いませんか。私はそう思いました。人の潜在意識は0.1ミリの紙を重ねるがごとく成長するのではなく、折るがごとく倍々ゲームで成長し、0.1ミリは1日目に0.2ミリ、2日目に0.4ミリ、3日目に0.8ミリ……になると著者は言います。30日目には107キロになる計算です。

 

 そうかもと思えてきた素直なあなたに大事なことを言います。最初の数日の「これっぽっち」の変化に素直に喜びを感じることが必要であり、「最初にこそ、無理やりにでも希望を持つ心の強さが必要」(43頁)なのだそうです。「これっぽっち」の変化を喜ぶことに強さが必要だと、私はこの本に教えてもらいました。自分のことを「ダメだなぁ」と思っている方には、他にも気づきがあると思いますよ。パラパラめくってみてください。

 

 

2023年12月
ビジネス実務学科 教授 平澤 純子

一般図書
[請求記号:159/I]

 

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