子どもの「今」を知ることができる一冊

『子ども白書2021』

日本子どもを守る会 編
かもがわ出版(2021年)


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本書は、1964年に創刊された「子どもの権利実現のための総合年報」です。

「健康・医療」「家庭」「福祉」「保育・学童保育」「司法」「学校」「地域社会・まち」「文化」「メディア」「ジェンダーセクシュアリティ」という多様な領域における「この1年」の子ども・若者の状況や取り組みについて、実践家、研究者などが執筆しています。筆者(佐藤)は、今年度から本書の「編集委員」を務め、「学童保育」の一年について執筆しました(p.135-136)。

 

今年度の特集は、「コロナ禍から未来へ 苦しみの縁から、希望を語る」。

コロナ禍という非常事態の中で、生活や社会全体が一変しました。しかし同時に、生活や社会のあり方が見直され、問い直されるようになったと言えます。「特集」の「巻頭言」では、本書を通して、「困難が『みんなの苦しみ』として共有されたからこそ希望の未来が見えてくる」という編集のねらいが示されています。そして、「未来を見据えた提起」の一つとして、子どもの世界から「すき間の時空間」が無駄なものとして極限まで排除されてきたが、コロナ禍によってその大切さを多くの人が実感し、この状況を変えるきっかけとなるのではないか、と「希望の未来」が示されています(森本:p.18-22)。

 

各タイトル1〜4ページ程度で、子ども・若者の学びと暮らし、それに対する実践や支援の取り組みが紹介されています。特に、子どもに関わる仕事につきたいと考えている皆さんにはぜひ読んでいただき、子どもをめぐる状況、それに向き合う人たち/実践に触れ、子どもの「今」について学び、より良い「未来」について自分なりに考えて欲しいと思います。まずは興味のある項目から、そしていつもはあまり読まないテーマについても読んでみると、子どもを見る視野が広がるのではないでしょうか。


2021年11月
こども学科 准教授 佐藤晃子

参考図書
[請求記号:369.4/N/2021]

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