誰にでもわかりやすく書かれた竜伝説絵本

『見沼の竜』(埼玉の民話絵本)

宮田正治文 ; 吉本宗絵
幹書房(1988年)


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埼玉の伝承を知る

埼玉の民話として最も有名なのが「見沼の竜」の伝説です。竜は古くに外国から入ってきた想像上の生物ですが、日本では古くからの「水の神様」と同一視されるようになりました。

川口市の埼玉学園大学・川口短期大学の近くの八丁堤から、北西は上尾市原市、北東はさいたま市見沼区七里までが一つの大きな湖沼で、「見沼」と呼ばれていました。現在の湖沼のランキングでみると、日本第2位の霞ヶ浦に匹敵するぐらいの巨大な沼です。

「ちい散歩」他、様々な旅番組でしばしば紹介されていますが、大学の近辺が観光史跡の宝庫だと言うことは、意外に知られていません。
また、見沼は巨大なだけではなく、豊かな自然と伝承の宝庫でもありました。

見沼の数々の伝承の中でも、特に有名なのが沼に住む竜にまつわるもので、かなり様々なバリエーションの伝説があります。
中でも、見沼干拓にあたって沼の生物を守るため、沼の主である竜が様々な妨害をしますが、干拓を担当した役人である井澤弥惣兵衛為永の命がけの熱意に説得されて事なきを得るという伝説が知られています。

絵本『見沼の竜』は、この伝説を子どもたちにもわかりやすい文と絵で描いて評判になった名作で、全国学校図書館協議会、日本図書館協会、日本こどもの本研究会の選定図書となっています。
埼玉県の小学校、中学校、幼稚園、保育園等にも図書館・図書室の蔵書としている所も多く、この近辺の伝説を知る入口としては最適な絵本でしょう。

子ども発達学科、こども学科の学生さんだけではなく、大学近辺の伝承ということで、埼玉学園大学、川口短期大学のすべての学生さんが一度は手にしてみてほしい絵本です。

※作者の宮田正治氏は2011年ご逝去されましたが、宮田氏の直弟子・高橋正幸氏が2012年「埼学祭・明暁祭」にて、「見沼の竜」に関するご講演と影絵を上演。


2012年10月
子ども発達学科 教授 三浦正雄

絵本
[請求記号:E/Y]

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