『思考の整理学』
外山滋比古著
筑摩書房(1986年)
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「東大・京大で昨年最も読まれた」(2009.8.3朝日新聞)という見出しと「思考の整理」というタイトルに興味を覚えて読みました。
「そうそう」とうなづけるところ、思い当たるところが随所にあり、「もっとはやくこの本に出会っていたら」とも思いましたが、年齢を経たからこそ理解できるところがあったのかもしれません。
「考えるというのはどういうことか。思うのとどう違うのか。知るとの関係はどうなのか。いかなる手順をふんで考えているのであろうか。」
あなたは、こんなふうに思ったことがありますか?このようなことは学校で教えられてきませんが、人はそれぞれ自分なりの考え方で物事をまとめています。
この本が書かれたのは1983年、皆さんが生まれる前ですが、考えるとはどういうことなのか、とても読みやすい文章で書かれていて参考になるところがたくさんあります。また、論文作成で困っている人は、「カード・ノート」「つんどく法」「忘却のさまざま」「とにかく書いてみる」等の箇所をぜひ読んでください。きっとやる気がでてくることでしょう。
考えることにハウツーはありませんが、自分の考え方についてちょっと意識してみることが、あなたの人間力を高めることにつながるかもしれません。
2009年9月
子ども発達学科 准教授 寺田 己保子
一般図書
[請求記号: 141.5/T]